Mizo Log

日々思う事を徒然なるままに綴っていく

棟方志功展(2019/07/05)

府中市美術館の棟方志功展を見てきた。

府中市美術館の展示は
何時もこじんまりしすぎているが、
今回の展覧会は、それなりの感じはした。
入場料:350円なので文句は言えないが・・・

棟方志功の大作を10分位、座って眺めていた
最初は、真っ暗な中に白い仮面のような人物が
蠢いているようで、黒主体だったのが
有るときから、白く輝き始めてて、
画面がハッキリ見えだし、’アラ’と思っていたら
また、黒い画面戻るなど、
洞穴の中で細い松明で見ているような不思議な感覚になった

こういうのは、現物を見ないとわかない感覚なんだろう
やはり、美術作品は、そのものを原寸大で見ないと駄目だなと思った。
時々、印刷物のイメージが強すぎてガッカリ時もあるのだが・・・

彩色の木版画は、紙の裏から染みこませた独特の雰囲気で
原色の発色が良く、色が響き合うと言うのに最適なものだと思った
時々、テレビなどで、このような感想を言う人もいるが、
この言葉がしっくりしみこむ
私には、初めての感覚だった

描かれている人物や仏様の顔は、
何となく縄文時代土偶を思わせるモノが多かった。
これは、東北地方の民族の独特の感覚なのか、
志向の原体験がベースあるのか興味深かった
ねぶた祭りの山車との類似館も気になるところではある

仏の、弟子や菩薩・天神の連作は志向が楽しんで描いている
躍動感が伝わった。
西洋では、キリスト教使徒や天使も同じような連作があるが
こんなに漫画チックに表現されたものは無いであろう

聖書を知らないとキリスト教の絵画の意味が判らないのと同様に
日本書紀や仏典などを知らないと描かれているものの本当の
意味は判らないと思うが、
童のごとく描かれた表情や面白い天神の造形を見てるだけでも
楽しかった

期待していた彩色の大判版画は展示されていなかったが
それなりに楽しめた展示会ではあった